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2024年04月24日
No.10004301

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」㉙
X広告の『フォロワーターゲティング』が注目される理由とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

X広告の『フォロワーターゲティング』が注目される理由とは?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ 代表取締役CEO パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。

Xの月間アクティブユーザー数は
6658万人(出典:X 媒体資料「202
3年第四半期版」)で、パチンコ業界においても非常に多くのシーンで利用されています。一般的にXを利用するメリットはさまざまですが、パチンコ店にとってのメリットは大きく2つあります。

一つは若年層の利用率が高いこと、もう一つは拡散力が高いことです。総務省の発表によると調査対象のうち10代の利用率が54・3%、20代の利用率は78・8%となっており、若年層とコミュニケーションを図るには最も有用なツールであると言えます。

また、拡散力という観点においては、いいねやリポストが利用者に広く定着していることから、最も拡散が起こりやすいSNSであると言えます。ちなみに、X社は「なぜ人はリツイート(リポスト)するのか?」ということを研究して「#拡散の科学」というレポートを作成し、利用者に向けて無料配信しています。

そのレポートによると、拡散は熱量伝播という事象である。人の感情が熱量となって拡散の起因となり、その熱量の大きさに比例して広がっていく。そして、その熱量は、直観、知識、主張、納得、声援、欲求の6つに分けられ、広く拡散される投稿はこの熱量が高いコンテンツになっていると記述されています。(レポート配信元:https://marketing.x.com/ja/insights/kakusan)

Xは有料広告も展開しており、広告としての利用価値も高く評価されています。これまでパチンコホールの広告出稿は広告ポリシーで除外されていましたが、昨年の夏頃にパチンコホールの広告出稿も認められ、X広告の配信が可能となりました。

X広告は通常のポストのようにいいねやリポストができるため、SNS広告の中でもユーザーによる拡散効果が期待できるということで、費用対効果の高い広告として注目を集めています。X広告の種類は大きく次の5つに分けられますが、その中でもプロモ広告が最もよく活用される広告形態で、幅広いフォーマットが利用できるため、リーチ、エンゲージメント、フォロワー、などさまざまな目的に用いることができます。

X広告を配信する際にはターゲティングを行いますが、パチンコ店にとって非常に有用なターゲティング機能が備わっています。それは、「フォロワーターゲティング(ハンドルターゲティング)」という機能になります。これは、指定したXアカウントをフォローしているユーザーあるいは、指定したXアカウントのフォロワーに共通する興味関心をもつユーザーに広告を配信する機能です。

フォロワーターゲティングはハンドルターゲティングとも呼ばれていて、Xのハンドル名がその由来になっています。FacebookやInstagramなど、ほかのSNSではアカウント(ハンドル)を指定したターゲティングはできないため、この機能はX特有のターゲティング機能になります。


フォロワーターゲティングをより具体的にイメージしていただくために、パチンコ業界の事例で解説します。

例えば、演者や晒し屋がXでポストした場合、そのポストがリポストされない限り、そのポストは基本的に演者や晒し屋のフォロワーにのみ拡散されます。そのため、演者Aのフォロワーは演者Aのポストだけを追いかけるユーザーになってしまっており、仮に演者Bを来店で利用して告知ポストをしたとしても、演者Aのフォロワーには表示されることはなく、演者Bの来店情報を知ることができないといったことが起こってしまっています。

その問題を解決してくれるのが、X広告のフォロワーターゲティングです。仮に、演者Bを来店で利用してX広告のフォロワーターゲティングを利用した場合、演者Aのハンドルを指定すれば、演者Aをフォローしているフォロワーに対して、あるいはその類似ユーザーに対して演者Bの広告(来店情報など)を配信することができます。

つまり、演者Aのハンドルを指定するだけで、演者Aのフォロワーに対して広告が配信することができるということになります。

これまでは、どんなに有名なアカウントであってもそれぞれのアカウント内でのみ拡散されるというのがXの構造であると認識されていました。それぞれのアカウントの総フォロワー数にインプレッションが依存していたため、店舗や店長、アイドル店員のアカウントはフォロワー数を増やす取り組みに多くのリソースを割く必要がありました。

しかし、これからはフォロワーターゲティングを活用することで、フォロワー数に依存することなく狙いたいターゲットに対して情報を意図的に拡散することができるようになりました。

またX広告は、地域・年齢・性別・キーワードなどの属性を指定して拡散することもできます。例えば、「千葉県○○市と○○市で活動する○○店長をフォローしている人」、さらには「○○演者と晒し屋○○をフォローしている人」に対して自店の新台入替の情報を拡散する、といったことが可能になります。

若年層の利用率が高く、拡散力が強いという利点を持つXは、有料広告の仕組みが秀逸なため幅広い業種で高い注目を集めています。パチンコ店においてもX広告は非常に有用な広告媒体です。まずは少額からテスト運用して効果性を確かめてみてはいかがでしょうか。(X広告はCFYでも取り扱いしていますのでお気軽にお問い合わせください)。

※『月刊アミューズメントジャパン』2024年5月号に掲載した記事を転載しました。


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