No.10004306
CCG ENTERTAINMENT 特別コラム②
X広告の戦略「ハンドルターゲティング」とは
文=仲野達也(CCG ENTERTAINMENT企画部部長)
前回は「X広告配信の流れ」について説明いたしました。X広告を始めるために必要な準備、そしてさまざまなハードルを乗り越えることで、店舗アカウントで広告を配信できるようになります。
ではX広告を利用する際に、どのような活用方法が効果的なのか。幅広く訴求したいがために、闇雲に拡散するのは得策ではありません。最も効果的と言われるのが「ハンドルターゲティング」です。
見てほしいユーザーに向けた
「ハンドルターゲティング」
みなさんご存じかもしれませんが、Xのアカウント名の下にある「@」から始まるユーザー名を「ハンドル」と呼びます。ハンドルターゲティングでは、ターゲティングしたハンドルのフォロワーに向けて、広告を配信することができるようになります。
業界で有名なライターやYouTuberをターゲティングすれば、そのフォロワーに向けて効果的に広告が配信できます。競合店や競合店の店員アカウントもターゲティングできるので、自店のエリア圏内にいるユーザーにも配信できます。ライトユーザーに見てほしいなら、パチンコ好きな芸人や芸能人もターゲティングできるので、そこのバリエーションを増やして運用することも可能です。
他業種で例えるなら、玩具量販店がX広告を配信するとして、イオンのようなファミリー層のフォロワー向けに発信すれば効果的と考えます。大手化粧品メーカーでは、若年層に人気のコスメを販売する企業をターゲティングすれば若年層の囲い込みも狙えます。
これをできるのはSNSの中でXだけ。Instagramはできませんし、LINEは自分の友達にはできますが、自分の友達の友達にはできません。業界ではなかなか浸透していませんが、これがX広告の選ばれる理由です。
エリア・キーワードの設定で
さらに高精度な配信が可能
このほかのメリットとしては、都道府県から市区町村までエリアを絞れます。Xはアプリなので、ブラウザよりもGPSが圧倒的に強いです。
例えば、配信する範囲を名古屋で設定するとしましょう。GoogleやYahoo!は名古屋市までしか設定できませんが、Xであれば名古屋市○○区まで設定できます。ブラウザは東京であれば23区で設定できますが、名古屋や札幌などの区までは対応していません。
またキーワード設定も可能です。設定したキーワードが含まれるポストを投稿したことがある人、キーワードに対して「いいね」などの反応したことがある人に広告が配信されるようになります。ただし、反応しにくいワードやニュアンスの違いで異なるワードと混同される場合もあるので、そこは店舗の判断、または代理店と相談するのが良いでしょう。
旧Twitter時代からXと業界の親和性が高いということは、うまく運用している方々はすでにご存じかと思います。ハンドルターゲティングを活用し、エリア・キーワードを設定することで、理想的なターゲットに広告を配信することができます。
まだ活用している店舗が少ないX広告をいまのうちに駆使することができれば、広告配信において競合店に差をつけることができる戦略でもあると思います。
※『月刊アミューズメントジャパン』2024年5月号に掲載した記事を転載しました。