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2022年03月24日
No.10002718

特集 SDGsことはじめ⑤ 東京ビッグサイト
サスティナブルな製品たち
『エコプロ2021 』『SDGs Week EXPO』

サスティナブルな製品たち
GaN基盤の用途は、電車の動力モーター、大型サーバー、変圧器、パワコンなどに使われ、従来とは異なった方式による省エネに期待されている

All GaNビークル(写真A)は、大阪大学を代表に名古屋大学、パナソニック、富士通など共同事業者が開発している近未来の車。高品質GaN基盤を活用した高効率電力変換デバイスを動力モーター、変圧器、照明などを実装することで、従来のEVとはまったく異なる形で省エネを実現しようとするものだ。エネルギー消費削減率は従来比14%。青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した天野浩光学博士も参画。世界に類を見ない独創的なEVとして期待されている。

短期間で土に還り微生物の活性化を促す和紙繊維「CURETEX(キュアテックス)」の特性を活かした循環型スキーム概要をプレゼンテーションしたのはキュアテックス(東京都)。マニラ麻などの多年生植物由来の素材から独自製法で作られた和紙糸で織られた生地「キュアシート」(写真B)は収縮性を持ち、衣料や手ぬぐい、マスクなど様々な製品を作ることができる。土に捨てると、3~6カ月程度で土壌微生物によって水とCO2に完全に分解されるため、環境を汚染しない。ホールのオフィス用品をキュアシート製品に置き換えたり、賞品として取り扱ったりすることがサステナブルな取り組みに繋がる。


ベジタリアンやヴィーガンはもちろん、健康的な食生活を目指す人たちのために植物性の原料で作った代替肉「ソミート(SoMeat)」(写真C)を開発、出品したのは文久二年創業の老舗豆腐店、染野屋半次郎(茨城県)。動物性原料も保存料も使用しない「ソミート プラントベース ミンチ」のほか炙り焼き、しょうが焼き、唐揚げなど、味と肉の触感にこだわった代替肉商品をラインナップ。大豆を知り尽くした豆腐屋だからこそ、大豆ミートの課題である植物たんぱくの臭みを消すことができたという。大豆ミートは肉と比べ製造過程におけるCO2排出量は50%、水資源消費量は7.7%と環境負荷が非常に小さくなっている。


近畿大学(大阪府)と石光商事(兵庫県)は、コーヒー抽出後に出るコーヒー豆かす(写真D)から、バイオ燃料「バイオコークス」を製造し、それを燃料として焙煎した環境にやさしいコーヒーを産学連携で共同開発した。コーヒーを抽出した後に残る豆かすは、その多くが産業廃棄物として処理されている。これを原料とした固形燃料は植物由来エネルギーであるため、利用時のCO2排出量がゼロカウントとなる。同社はこの「バイオコークス」の使用を通じてコーヒー工場のCO2排出削減をめざす。

コーヒー豆かすからバイオ燃料をつくり、その燃料でコーヒーを焙煎して、
そのコーヒー豆かすから……という無限ループが可能な商品だ

昆虫食のentomo(大阪府)は、昆虫食の輸入・販売・製造を通し、SDGsの啓蒙活動を行っている。古代から食べられてきた昆虫は高タンパクで、現代では糖質制限が必要な人にも推奨される健康食だ。同社製品では高タンパクで低脂肪、食物繊維が豊富な「いもむしゴロゴロカレー」が人気。「いもむしにはちょっと抵抗がある」という昆虫食入門者には、カリッとした食感でおつまみにもぴったりな「乾しコオロギ」(写真E)や、筋肉をつけるプロテイン剤として「クリケットパウダー」がお勧めだ。

コオロギ食は世界各地で行われている。乾燥したり油で揚げれば
味やニオイの癖もなく万人向けの味だ

ソーラーパネルを設置して時間がたつと、汚れて発電効率が下がることがある。屋根や山の斜面など、人力での清掃が難しい場所で活躍するのが未来機械(香川県)の『ソーラーパネル清掃ロボット』(写真F)だ。リモコンで操作できる自走式、傾斜は15度まで対応。水を使って回転ブラシで洗浄する。砂漠地帯向けの水不要タイプもラインナップしている。

大きな面積を一挙に清掃できる自走式ロボット。バッテリーの駆動時間は最大4時間

酒パックにはアルミ付き、アルミ無しの2種類がある。アルミは分離することができるため、紙の部分はどちらも良質の古紙原料となる。2007年、酒造メーカーや製紙会社が「酒パックリサイクル促進協議会」(大阪府/写真G)を設立。自分が住んでいる市町村や近所のスーパーでアルミ付き・無しの分別回収をしていたら利用してほしいと呼びかけている。

酒パックはアルミ付き・無しでリサイクル方法が異なるため、
識別のために表示マークを記載している

東亜工業(群馬県)の『リベラキャビン』(写真H)は、ソーラー発電専用に設計されたオフグリッドハウス。屋根上と可動式屋根を合わせるとソーラーパネルは4枚から10枚まで実装でき、約1.22~3.05kWと大容量発電を実現する。軽量で寿命の長いリチウムイオン電池を標準採用、1台~6台まで設置可能で、約2.4~14.4kWhまで蓄電できる。キャビンは1台ずつ自社工場で組み立て。災害時には蓄電池だけで1日冷蔵庫24時間+エアコン6時間+シーリングライト8時間のほか、テレビやスマホの充電に電力を使っても3日間維持できる。

内装デザインや大きさも自由にカスタマイズできるので、アウトドア小屋や
小規模店舗、ワークスペースなどさまざまな用途に使用可能だ

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年3月号に掲載した記事を転載しました。


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