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2024年03月08日
No.10004181

3月号特集 新時代を見据える設備・サービス
旗艦店をマース製品が後押し|マースエンジニアリング
『AI分析サービス』『マーススマートウォッチ』『セルフPOS』ほか

旗艦店をマース製品が後押し|マースエンジニアリング
高稼働を見せるスマスロコーナー

『キコーナ府中店』(東京都)が12月23日、総台数を1.5倍に増やすリニューアルオープンを遂げた。全818台は府中エリアで最大級。スケールパワーに加えて、営業・接客をサポートするマースエンジニアリングの製品群を支えに、都内で有数の高稼働店を目指す。

ホールの運営店舗数が150軒を超えるアンダーツリーグループ(大阪市)は、規模・立地に合わせた”勝ち方“を知る全国チェーンだ。大型・小型、駅前・郊外、通常貸し・低貸し──。それぞれの特性を生かす運営ノウハウは、多くの同業者から手本とされている。

屋号に「金馬車」を冠していたころから重要店舗に位置付けられていた府中店は、京王線・府中駅の南口改札から目と鼻の先にある。開業から25年目にして、増築を伴う大改装を決行。建物西側で空き地となっていた飲食店跡地に敷地を広げた。

総台数は542台からエリア最多の818台(パチンコ416台、パチスロ402台)に増加した。PS比率は改装前と同様に1対1を維持。東京・埼玉を管轄する営業戦略部の坂本嵩昭エリアマネージャーは今回のリニューアルについて、次のように話す。

「狙いは通路幅を確保した上での増台です。店内工事では新築部分の建て増しに留まらず、既存部分でも島の大半を取り壊しました。重視したことはスマートな店づくり・島づくり。すっきりさせるには周辺設備メーカーさんが複数社にまたがらないほうがよく、包括的な製品ラインナップを擁するマースさんをパートナーに選びました」

マース製品を部分的に導入するグループ店はいくつもある。しかしホールコンピュータからユニットその他に至るまで、フルで揃えることはグループ初の試みだという。

旗艦店を謳う垂れ幕は覚悟の表れ

8割稼働のセルフPOS

代表的な導入設備・システムは、A I(人工知能)を搭載する『スマートユニット』および『パーソナルPCシステム』、空気で紙幣を運ぶ『Air紙幣搬送システム』、腕時計型ウェアラブル端末『マーススマートウォッチ』、遊技客が自分で景品交換できる『セルフPOS』など。このほか「AI分析サービス」、「接客サポートシステム」も利用する。

坂本エリアマネージャーはAI分析サービスに関心を寄せる。同サービスでは、AIが店舗実績データ、曜日、天候、季節要因などから近い将来の売上・粗利・稼働を予測する。設置機種を育成すべきか撤去すべきか判断することも得意だ。

「最低3カ月分のデータを学習させないと参考にできないそうですが、A Iの予測と当社で推計する予測とで、どのような差が出るか非常に楽しみにしています。差があれば新たな視点に気づけますし、差がそれほどなくても双方の精度の高さを確認できます」

オペレーションに役立つと実感している製品は『マーススマートウォッチ』。会員の来店情報や各種の呼出し通知を振動と文字で装着者に伝えてくれる。

「フロアスタッフは台トラブルにすぐに駆け付けられるように、何か別の作業をしているときでも、絶えず心のどこかでランプを気に掛けていたと思います。これでは目の前の業務に専念できない。ですがこれがあれば、常に気を張るような状態から解放されます」

同店ではシフトに入る全スタッフが装着。受信可能なさまざまな通知のうち、現状では遊技台、カウンター、紙幣詰まりといったトラブル系の通知に限定している。

『セルフPOS』は景品交換客の8割超が利用するほどに浸透している。1階パチンコフロアでは2台中1台がセルフ。2階パチスロフロアにはセルフ1台がある。メダル機には各台計数機付きのメダル貸し機『メダルパーソナル』を導入しているため、すべてのパチスロ客がカード1枚で台移動から交換まで済ませられる。

腕時計型ウェアラブル端末『マーススマートウォッチ』の最新型

交換客の大半が自分でセルフPOSを操作する

メダル機コーナーの『メダルパーソナル』

稼働率トップ20へ

機種ラインナップでは、新旧「エヴァ」79台、同「リゼロ」32台、「スマスロ北斗」45台、「Sカバネリ」25台、ジャグラーシリーズ120台といった人気機種を多数取り揃える。

「現在はスマスロを中心にパチスロの勢いを感じられるトレンドですが、パチンコにも後続するスマパチやラッキートリガー搭載機の伸び代があります。変化が起きようと、注目機種を圧倒的台数で揃える方針です」

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン Type レイ』は1Box(44台)を導入

リニューアルオープン当初の客数は及第点ながら、会員登録数には物足りなさを感じているという。旧店舗から引き継ぎ登録した会員は4分の1程度、新規登録は2000人規模だった。

坂本エリアマネージャーは、「今後は省力化設備によって作業を減らしつつ、AI分析などを活用して施策を考える時間を増やしたい。店長クラスのブレインが増えればいいですね。一方でスタッフには、お客様に集中できる時間が増える。成長するメンバーとともに、都内トップ20に入る高稼働店を目指したい」と意気込みを語る。

坂本エリアマネージャー


※『月刊アミューズメントジャパン』2024年3月号に掲載した記事を転載しました。
文=アミューズメントジャパン編集部


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