特集記事

特集記事内を

2023年07月06日
No.10003644

雄健工業
スマート遊技機時代の収益物件へ
店舗付駐車場による都市型小型店舗の可能性

スマート遊技機時代の収益物件へ
1階、2階にテナントを誘致。上階は時間貸し駐車場とすることで利回りの高い事業スキームになった『VIERRA(ビエラ)江東橋』(東京都墨田区)

自走式立体駐車場大手の雄健工業は、1階、2階が店舗で上階が自走式駐車場という「店舗付駐車場」で豊富な実績を持つ。これまで多くのパチンコホールのほか、一般商業施設も手掛けてきた。いま同社が提案するのが、駐車場を核とした収益物件モデルだ。

ここ数年、業界を取りまく環境の変化に伴い、ホール店舗数の減少が続いている。グランドオープンもほとんどがM&Aによる居抜き案件で、新築物件は珍しい状況だ。

そんななか昨年11月から登場したスマスロを活用して小規模なスマート遊技機専門店をオープンする店舗が出始めてきた。玉・メダル補給システムなどが必要ないため、これまでの新店づくりより出店コストが抑えられ、繁華街や駅前に出店しやすくなった。島全体の重量が軽くなったり、騒音レベルが下がったりすることで、ビルの空中階などへも出店しやすくなる。

雄健工業が提案するのは、駅前や繁華街店舗の改築による収益物件化だ。同社が得意とする1階または1、2階を店舗にして上階自走式駐車場にする「店舗付駐車場」なら、1、2階でスマート遊技機専門店を開業したり、異業種のテナントを誘致したりするなどして収益化を図ることができる。鉄道の駅周辺や病院や公共施設の近くなど駐車場ニーズがある立地なら、上階を時間貸し駐車場にすることも可能だ。

2019年11月に竣工した『VIERRA(ビエラ)江東橋』(東京都墨田区)は、大手ゼネコンとの競合になった物件だったが、雄健工業が生産供給する個別認定品の工法を使用するコストメリットが秀でていたため、雄健工業が元請になったケースだ。
 
雄健工業は店舗と駐車場の両方の使い勝手と、面積が大きい駐車場部分を同時に考えて設計することで、当初の一般建築案と比べて大幅なコストダウンを実現。利回りの高い事業スキームとなった。

自走式立体駐車場メーカーの中でも店舗付駐車場で設計から施工までを手掛けられる企業は雄健工業以外にほとんどない。時間貸駐車場運営の大手企業やテナント誘致の専門業者との取引がある同社では、ホール経営者から相談があれば様々なスキームを提案できるという。

パチンコ事業から撤退しても、M& Aで同業他社に売却できる店舗はそう多くはない。スマート遊技機の将来を見込むのであれば、収益物件として建て替えることも一案ではないだろうか。

雄健工業では「店舗付建物に投資してもらえれば確実に収益が見込める物件を作れます。土地活用や投資案件を探しているホール経営企業様に対して有益なご提案ができると考えていますので、ぜひご相談ください」と呼びかけている。

※『月刊アミューズメントジャパン』2023年7月号に掲載した記事を転載しました。


パチンコ・パチスロ最新記事