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2023年04月26日
No.10003457

[注目企業レポート]さんななキャリア|遊技機開発に特化した転職エージェント
開発分野の人的資源を適正化したい
Interview 佐々木智浩氏 株式会社さんななキャリア代表|中小企業診断士

開発分野の人的資源を適正化したい
佐々木智浩氏 株式会社さんななキャリア代表|中小企業診断士

遊技機開発には常に新たな人材が求められている。多様化するユーザーの嗜好、新しい遊技機規則、開発技術に対応するためだ。そのために必要なのが、開発分野における人的資源の適正配置。開発分野に限ったことではないが、転職者と採用企業の間には互いに「満足していない」という状況がある。この解消をサポートしているのが、さんななキャリアの佐々木智浩代表だ。[文中敬称略]


──さんななキャリアは、遊技機開発に関連する人材に特化して転職のサポートをされている、いわゆる転職エージェントですね。
佐々木 弊社の人材紹介実績の9割以上が、遊技機開発部門に転職された方のお手伝いです。現在、アクティブな取引先つまり紹介先は120社以上あり、累計では約250社になります。弊社からのご紹介で、昨年は約30人の方が新たな職場と出会うことができました。

──遊技機メーカーや開発会社は常に新しい人材を求めている状況だそうですね。
佐々木 はい。人材が必要なタイミングにいるべき人材がいない、つまり人的資源が適正に配置されていないためです。遊技機メーカーは安定的に遊技機を供給しなければならないという使命があります。しかし、開発系の人材は育成に時間や費用がかかる上に採用も容易ではありません。そのため多くの開発会社が支援しながら遊技機を作るわけですが、開発会社にとっても、その都度必要なスキルを持った人材を確保するのは困難なことです。

──遊技機開発のような、エンジニア系というか職人的な方々は、どのような理由で転職することが多いのですか?
佐々木 多くの方は、「経験が活かせる仕事をしたい」「興味のある領域の仕事をしたい」とお考えです。たとえば、「いまはぱちんこの開発をやっているが、本当はパチスロの開発をやりたい」などです。現状、各社は限られた人的資源の中で精一杯の仕事をしています。この状況下で、キャリアの志向性と異なった仕事をしているケースや、仕事の内容や仕事の環境に満足していない方も多々います。つまり、「適正化」されているとは言い難い現状があるのです。人材の流動化によって「適正化」が少しでも進めば、遊技機開発はよりスムーズになり、働く方々のエンゲージメント向上にもつながるはずです。しかし遊技機開発分野の人材と仕事のマッチングは、大手転職エージェントではうまく機能していないのが現状です。

──それはなぜなのでしょう?
佐々木 転職を考え始めた方の多くは、大手の転職エージェントに登録しますが、遊技機開発にどのような職種があり、どのようなスキルが必要かを知っているエージェントはほぼいないからです。遊技機メーカーや開発会社から「こういう人材が欲しい」という引き合いがあっても、登録者の中から適した人材を見つけ出せず、おおざっぱな「ぱちんこ」「パチスロ」というキーワードで抽出した登録者に応募を勧めます。登録者の経験と企業から求められているスキルがかみ合っていないため、9割がたは書類選考を通りません。非常に非効率なのです。

転職・マッチングでは
適切な情報が最も重要


──さんななキャリアは、なぜ精度の高いマッチングができるのでしょう?
佐々木 私には10年近い人材紹介ビジネスの経験があり、2014年からは遊技機開発の人材紹介業務に特化してきたため、遊技機開発の職種や必要なスキルを理解しているからでしょう。転職の支援には、求職者に正しい選択肢を提示できることが非常に重要です。弊社がこの領域に特化し適切な情報をご提供してきたことで、弊社の転職支援サービスをご利用された方々に高く評価していただき、Google口コミでは4・9点という高評価もいただいております(2023年3月現在)。2019年、2020年にはリクナビNEXTのユーザーが選ぶ「GOODエージェント・ランキング」で約450のエージェントの中から表彰されました。

──大手転職エージェント以外ではどのような転職方法が一般的なのですか?
佐々木 かつての先輩や同僚の口づてが多いです。「ウチでこういうポジションを探しているから来ないか」といった具合です。この場合、スキルのミスマッチは少ないのですが、それ以外の情報をきちんと聞かないまま転職してしまうと、社風や仕事の進め方などでミスマッチが起こることもあります。他社と比較検討できないという面で、情報不足の場合も。私の仕事を別の角度から説明すると、仕事探しにおける〈情報問屋〉です。遊技機開発の業界には、数百の会社がありますが、その企業一覧はどこにもありません。ましてや、主要取引先や協力会社を公開して求人広告を出している開発会社はほぼありません。転職しようとしている人にとって情報不足であることが多々あります。

〔プロフィール〕ささき・ともひろ|1978年千葉県生まれ。2003年立教大学社会学部卒業。主に無形サービスの営業に従事し2012年から人材業界へ。2017年に遊技機開発に特化した人材紹介会社を立ち上げ。2020年に中小企業診断士試験合格。


──〈情報問屋〉であることは、転職希望者にとっては非常に心強いですね。
佐々木 この業界に関しては発注会社・協力会社の関係も把握して相関図を描けるくらいでないと、業界内の人材の「適正化」はできないと考えています。遊技機メーカーや開発会社の動向を常に見ているから、こういったどこにも文字化されていない情報を整理できているのだと思います。それと、私が中小企業診断士という目線で企業を分析して、独自の見解を求職者にお伝えできるのも強みかもしれません。

──転職希望者についての情報はどのように引き出すのですか?
佐々木 登録者の職務経歴書だけでは、今後どういうことをしたいのかなどはわかりません。じっくりと一対一でお話を聞くほかないと思っています。ですから弊社は、面談は1日おひとりと決めています。何度でもご相談に乗りますから、最初の面談から転職するまでに3年かかった方もいらっしゃいます。もちろん、本人の気持ちが固まっていない状態で、応募先企業への入社を無理強いすることもしません。

多くの人材が適所で
活躍できることを支援


──マッチングの精度が高いと、転職先での定着率も高いのですね?
佐々木 はい。これについても私のこだわりがあり、弊社では入社90日後のフォローアップをしています。90日とは、新たな職場の様子が掴めてきて、多かれ少なかれ不満も感じ始める時期です。大手エージェントが実施した調査では、転職者の6割が転職結果に満足していません。一方で、中小企業白書によれば、中途採用した企業の6割が採用した人材に満足していません。一般論として、互いにストレスを抱えているのです。しかし我々が転職した方にお話を聞くと、些細な問題やすれ違いであるケースが多いので、フォローアップがガス抜きになったり、問題解決の糸口になったりします。本人の了承が得られれば人事部門の方と状況を共有し、問題の解決に力添えしてもらうこともあります。この90日後のフォローアップは、ご紹介した方からも企業からも非常に好評です。

──最後に、遊技機の開発者で転職を考えている⼈にひと⾔あれば。
佐々木 転職後の定着ということについて、ひとつ補足したいことがあります。この業界では開発会社が受注する仕事の量に波がありますし、その内容も変化します。そういった事情から、転職者にとって、在籍している会社がベストな場所でなくなるということは多々あります。遊技機メーカーや開発会社は常に新たな人材を求めているわけです。ですから、この業界の中で人材がある程度流動化することは自然なことだと、私は考えています。よって、遊技機開発業界では転職しやすい環境になっていますので、転職を検討している⽅はさんななキャリアのHPよりご登録ください。



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