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2023年01月31日
No.10003264

文=野島崇範・プラスアルファ By Nojima Takanori
誰も教えてくれない成果の生まれるSNS活用術
[コラム]多様性の時代に求められるSNSとWEB広告の運用 vol.01

誰も教えてくれない成果の生まれるSNS活用術
のじま・たかのり/三重県生まれ。北海道教育大学卒。毎年年間1000店舗以上のパチンコ店を調査。広告を6つのポイントで数値化して、その仕組みを売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」で執筆。売り場プロモーション診断士検定を8年前に立ち上げ2020年には1200名以上が受験。

価値観は多様化しています。個の時代です。この言葉を聞き、誰もが違和感なく否定せず受け入れるようになりました。では、それに合わせたSNSおよびWEB広告の運用を行っているでしょうか?

Twitterが良い。Instagramだ ! そろそろTikTokかな…。いやいやGoogleマップだろ。YouTubeって聞いたぞ。Googleの広告一択。年輩のお客様が多いからYahoo!の広告。

結局のところ、どれが良いのかという議論は、実は意味のない話なのです。多様性の時代だからこそ、お客様の多様性に合わせてSNSおよびWEB広告を設計する必要があるのです。伝えたい結論は以上です !
しかし、これだけで終わらせると読者の皆様の頭には、「どうすれば良いのか ?」という疑問が残るでしょうから、本コラムでは具体的な運用方法を解説していきます。


そもそも論ですが、なぜ価値観は多様化したのかを考えてみてください。それは技術が進化したからです。技術の大幅な進歩があったとき、または衝撃的な天災に見舞われたときに価値観が大きく変わると言われています。例えばテレビが「一家に一台」だった時代は、同じ時間に同じ番組を見ることが当たり前でした。そのため、価値観は均一化しやすかったのです。

しかし、技術は大幅に進歩しました。日本国内では2008年に iPhoneの発売がスタートしました。2009年には国内スマホ出荷台数のおよそ7割を iPhoneが占め、日本中に iPhoneが一気に広まりました。「一人一台」のスマホ時代の始まりです。スマホ時代は誰もが手のひらに、インターネットに接続できる小さなパソコンを乗せて、好きなWebサイトを見たり好きなアプリを起動したりして好きに時間を費やせるようになりました。つまり、個人の「好き」という感情を追求できるようになったのです。そのため、従来の均一化から多様化へと移行したのです。

もっと多様性について根拠が欲しいと思ったあなたに朗報です。お使いのスマホが iPhoneでしたらスクリーンタイム機能(android の場合は Digital Wellbeing と保護者による使用制限)から、自分自身の好みを可視化できます。一度ご自身およびご家族やご友人・同僚などと比較してご覧ください。


添付の画像は私と弊社の新入社員の中島郁也との比較です。スクリーンタイムの利用時間を見ると、LINEを除き検索サイトやSNS、アプリなど異なるものを利用していました。個々の好みが大きく異なることが分かります。このような差異は、性別や年齢が同じでも個々によって生じます。

しかしここ2年ほどパチンコ業界では、空前のTwitterブームです。パチンコ店が次々にTwitterアカウントを作り、パチンコ業界だけ盛り上がっております。しかし、Twitterの日本国内のアクティブユーザー数は4500万人で、ここ数年大きな変動はありません。私には停滞しているSNSと見えます。だからTwitterを始めるだけでは多様化の時代に完全に乗り遅れてしまうのです。

価値観がそれぞれ異なるからこそ、あなたのお店の魅力をお客様に伝えるためには、さまざまなSNSおよびWEB広告の運用を行いながら、店舗の認知を拡大することが重要です。
多様化が進む時代のSNS運用はすべて重要ですから、「すべてのSNSを使いこなそう」という結論になってしまうのです。でもいきなりすべてを使いこなすことは難しい。そのため本コラムでは優先順位を明確にして、どのような運用が望ましいのかを述べます。

少し考えてみてください。LINE、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokで最も優先順位の高いSNSはどれでしょうか?

広告効果を最大化するためには、①反応率を高める、もしくは②月間利用アクティブユーザー数が多いSNS媒体を使う。大枠で捉えるとこの2つが大切です。
①の方法はSNSへ投稿しながら管理画面のデータを見て、どの投稿の反応が良いのか分析・修正を繰り返します。試行錯誤のすえに中期的には反応率を高めた投稿ができます。しかし如何せん時間が掛かります。
最短で効果を発揮するためには、②の方法すなわちアクティブな利用ユーザー数が多いSNSから取り組むことが大切です。極端な例ですが、反応率3%でも分母が100人なら反応は3人です。一方、反応率1%でも分母1000人を狙えば10人の反応が期待できます。反応率が低くても分母が多い方が顧客の反応する人数は増える可能性があるのです。ここを見落としてはいけません。

現在のSNSの月間の利用アクティブユーザー数はどのように推移しているかご存じでしょうか? 表をご覧ください。


2022年11月時点の月間アクティブユーザー数は、LINEが9200万人、YouTubeが6900万人、Twitterが4500万人、Instagramが3300万人、Facebookが2600万人、TikTokが950万人という順位でした。そのため、まずは徹底的にLINEを駆使することが重要です。実はLINEを効果的に駆使できているパチンコホールは多くありません。

LINE運用では、絶対に外してはいけない3つのポイントが重要です。

また、LINEの従来の配信方法から脱却する必要があります。なぜならLINEは2022年10月31日に公式アカウントプラン改定及び日割り廃止を発表したからです。その発表によると、無料は月1000通→200通、月額5,000円は月15,000通→5,000通の配信(※さらに追加メッセージ送信不可に変更)に、月額15,000円は45,000通→30,000通の配信数に変更となりました。つまり、従来のように何も考えずに配信をすると、大幅にコストが増加します。



では、どのような配信方法が重要になるのか。LINEの最新の活用術については、月刊アミューズメントジャパンの3月号でご説明しますので、しばらくお待ちください。

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[本コラムは月刊アミューズメントジャパン 2023年1月号掲載のコラムを転載したものです]


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