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2024年09月02日
No.10004500

東北支部が特別強化週間に駐車場巡回|回胴遊商

東北支部が特別強化週間に駐車場巡回|回胴遊商
ホール駐車場を巡回するスピネットの従業員

回胴式遊技機商業協同組合の東北支部は8月18日から24日まで、遊技客の車内に子どもが取り残されていないか、パチンコホールの駐車場を巡回した。

遊技業界では車内に放置された子どもが熱中症で死亡する事故を防ぐために、ホール経営企業を中心に駐車場の巡回を徹底している。2013年1月にはホール団体が共同して、「子どもの車内放置防止対策マニュアル」を制定。1時間に1回以上の巡回など、それまでも取り組んできた対策を改めて明文化し、ホール営業者の心構えを一つにした。

日本自動車連盟(JAF)のテスト実験によれば、外気温35℃の炎天下で自動車のエアコンを停止させると、車内温度は約10分で外気温と同等になる。サンシェードがあったり窓を数センチ開けていたりしても同じで、車内温度はその後もぐんぐんと上昇。外気温を優に上回る。熱中症の危険度を表す指数は、エアコンを停止してから5分で警戒レベル、10分で厳重警戒レベル、15分で危険レベルに到達。熱中症は最も重篤な場合、死に至る。

先述のマニュアルでは対策を通年で行うとした上で、リスクが高まる一定期間を事故防止対策の「強化期間」(ゴールデンウイークから10月までの半年間と、年末年始)、「特別強化期間」(7月と8月の2カ月間)と設定。巡回や店内アナウンスの頻度を高めている。

この取り組みに賛同する業界団体は多い。パチスロ機の販売業者で構成される回胴遊商では2005年から、組合員が取引先のホールを訪問した際に駐車場を巡回する活動を開始。中でも東北支部は熱心だ。

同支部は2013年から、8月中の1週間を「特別強化週間」と独自に設定。専用のビブスや腕章を身に着けた従業員が二人一組で巡回し、一人が車内確認、もう一人がその姿を撮影する体制を整えた。今回は組合員10社(※)が撮影写真を本部と共有した。
(※)アーク、オラクル、スピネット、セブン、第一遊機、日成仙台販売、迫遊機、廣村商事、ユーギシステム、レジャー産業秋田

回胴遊商_東北支部
指さし確認で確実に(レジャー産業秋田)

回胴遊商_東北支部
手をひさしにして車内をのぞき込む(日成仙台販売)

こうした巡回活動の結果、ホール駐車場では2017年7月を最後に、子どもの死亡事故は起きていない。しかし、子どもを車内に残す児童虐待行為がなくなったわけではない。2023年度にはホール駐車場で28件の車内放置が発見され、巡回者らによって34人の子どもが救出された。

車内放置の責めはすべて運転者にある。遊技業界を挙げた駐車場の巡回は、子どもの救出だけでなく、刑法犯を生み出さない救済でもある。仮にホール駐車場で死亡事故が起ころうとも、当該パチンコ店や遊技業界を非難することは、まったくのお門違いだ。


文=アミューズメントジャパン編集部


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