2023年07月28日
No.10003698
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世界最大のポーカー大会WSOP メインイベント優勝賞金は約17億5000万円
2023 World Series of Poker 2023年5月30日 – 2023年7月18日
毎年、米ラスベガスで行われているポーカー世界選手権「World Series of Poker(WSOP)」でこの夏、17年ぶりにレコードが更新された。メインイベントの参加者数がなんと1万人を超えたのだ! その熱狂ぶりをレポートする。 文・写真=片山 真(ギャンブルライター)
テーブルに積まれた1,210万ドル(約17億5000万円)の札束とともに満面の笑みを見せたのは、今年のポーカー世界選手権の『メインイベント』(No-Limit Hold'em World Championship Main Event)を制したダニエル・ワインマンさん(35歳、ジョージア州アトランタ在住)。世界から集結した1万43人のテキサスホールデムの腕自慢の頂点に立ったのだ。
メインイベントの参加費は1万ドル。このお金を持ってくれさえすれば誰でも挑戦できる。そうは言っても初日の為替レートで約145万円という大金を、1万人を超えるプレーヤーが持ち寄るイベントというのは普通じゃない。
これまでの記録はポーカーブームが起きた2006年の8,773人。これを楽に超えたことで、賞金プールは大きく膨らみ、当然、優勝賞金も史上最高額に達した。メインに限らず、1カ月半に渡って行われたサブイベントも大盛況で、次々に参加者レコードが更新されていった。このフィーバーの背景はどこにあるのだろう。
筆者がエントリーした2つの「シニア」イベントでも熱戦が繰り広げられた。60歳以上が参加条件の「スーパーシニア」には3,122人が集まり、ホールいっぱいに並べられたテーブルをジジババが占め(写真)、不思議な空間ができあがった。
このメンバーはおそらく、2000年代前半のブームの頃から、テキサスホールデムという種目のポーカーを楽しんできた人たちだ。参加費は1000ドルで、メインの10分の1とはいっても日本円にすれば14万円を超える。それなのに、テーブルに鉄火場の雰囲気は一切なく、時には笑いが起きながら和やかにゲームが進行していく。マネープレッシャーは感じないのだろうか?
今回、強く感じたのが、いつの間にかアメリカと日本の間に生じた、景気の大きな差だ。24時間眠らないと言われるように、ラスベガスの目抜き通り「ストリップ」は、深夜になっても車の列も人の流れも途切れない(写真)。
レストランで付けるチップは、最近は20%前後がスタンダードになっている。物価が高いうえ、円安がダブルパンチになって、普通の朝食が優に1万円超えなんてこともあった。逆に言えば、ドル建てのポーカー賞金をゲットすればおいしい。
そんな計算があったかどうかは別にして、今回は日本人プレーヤーの活躍が相次いだ。鈴木龍太郎さんは22歳の若さで「イベント♯36」を制し、日本人優勝者の最年少記録を更新した。岡本詩菜さんが「レディースチャンピオンシップ」で2位に食い込み、清水望さんは参加費5,000ドル以上のイベントで3位入賞を3つも獲得した。
若い人を中心にしたポーカーブームで、我が国のプレーヤーのレベルは間違いなく上がっている。これからも日本人絡みの記録ラッシュが続くことだろう。
KATAYAMA MAKOTO(ギャンブルライター/競馬ジャーナリスト)
夕刊紙の競馬記者当時から、海外競馬とカジノに精力的にチャレンジ。海外遠征回数は3ケタを超える。WSOP参戦は今年で4回目。夕刊フジでコラム『のるかそるか』『俺の切り札』連載中。
夕刊紙の競馬記者当時から、海外競馬とカジノに精力的にチャレンジ。海外遠征回数は3ケタを超える。WSOP参戦は今年で4回目。夕刊フジでコラム『のるかそるか』『俺の切り札』連載中。