2025年12月05日
No.10005076
No.10005076
学生のタイパ志向にどう向き合うか
【毎週金曜日更新】全日本学生遊技連盟・週刊連載コラム⑨
前回のコラムでは、学生のタイパ(タイム・パフォーマンス)意識が「遊技前」と「遊技中」で異なることを書かせていただいた。今回はそのうち、「遊技前」段階におけるタイパについてさらに深掘りしたいと思う。なお、本コラムは私自身の観察および友人への聞き取り調査に基づくものであり、すべての学生に当てはまるわけではない点をご理解いただきたい。
■ 前提の整理
遊技前に学生が行う行動は、大きく分けて店舗選びと情報収集の2つに整理できる。
■ ホール選びについて
学生のホール選びには、主に開店から一日中遊技するケースと隙間時間で遊技するケースがある。
前者は、その日の最重要目的が「遊技」であるため、タイパの前提である“限られた時間”という制約が薄れ、満足度最大化に特化した選択が行われる。アクセス性を偏重するのではなく、あまたの取材や無数のデータ、ホールの傾向などを読み取り、多角的な判断材料が重視される。
一方後者は、その日の中心目的が遊技ではないため、重視されるのは “限られた時間の最大化” である。結果、学生は現在地からホールまでの距離を最優先に選択する傾向が強い。この特徴は第一回目のコラムでも触れたが、改めて無視できない点である。
■ 情報収集
次に情報収集だ。かつての入手手段は紙媒体が中心だった。しかし現在は、スマートフォン1つで膨大な情報に容易にアクセスでき、情報量は紙媒体時代を大きく上回る。紙面では扱われなかった仕様やマイナー機種まで網羅され、映像・音声といった“動的な情報”も含めてすべて入手できる。
学生はこれらの情報を、移動中・食事中・家事の合間など、あらゆる隙間時間で取り込み続ける。日常のルーティーン(限られた時間)の中で遊技内容をよくさせようとする(効果や満足度)、まさにタイパ志向が最大限に働いているのである。こうした姿は数年前にはあまり見られず、近年注目すべき大きな変化だといえる。
■ 業界としてのアプローチ
では、このような学生のタイパ意識に対し、業界はどう向き合うべきだろうか。
まずはホール選び。多くの学生が隙間時間の遊技を重視する以上、アクセス性の良さが鍵になる。しかしアクセス改善として送迎バスの導入などは容易ではない。そこで提案したいのが、学生を無理に集客しない戦略だ。
例として、「郊外店:社会人向け」「大学近隣店:学生向け」というように、立地に応じてグループ内で役割を分担し、取材や配置機種を最適化する“経営の分業化”を行うのも一例としてどうだろうか。私の知る限り、学生を明確にターゲットとした分業化を実施している事例は多くない。グループ企業こそ、ぜひ一度検討してみてほしい。
次に、情報収集段階へのアプローチである。学生は損をしないよう大量の情報を入手するため、機種やスペックに対する目が非常に肥えている。その結果「情報だけで満足してしまい実際に打たない」現象が増えている。新機種にとても詳しいのに未遊技、というケースは珍しくない。
この層に必要なのは、PR段階で“楽しめるさの瞬間”を明確に見せることである。演者を起用したただの実戦動画だけでは不十分で、学生の情報摂取スタイルに合わせた工夫が求められる。
例えば、
・短く分かりやすい動画構成
・目を引くサムネイル
・ネタ性、・遊び心のある編集
・流行フォーマットを踏まえたSNS向け企画
学生の目的は「その機種にどんな楽しさがあるのか」を知ることだ。解析数値だけでは伝わらない“楽しめるむ瞬間”を提示し、「この台、少し打ってみたい」と思わせることこそ、PRの最重要ポイントである。
■ まとめ
今回は「遊技前」のタイパ意識について整理した。スマートフォンを中心とした情報社会の生活環境が続く限り、学生世代は今後も高いタイパ志向を持ち続ける。こうした層の増加を前提に、業界としても時代に即した柔軟な戦略の構築が求められると私は考えている。
文=三浦圭翔(全日本学生遊技連盟)
















