2023年04月17日
No.10003432
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全国に根付くポーカー文化② キングスマン帯広店
地方でも高まるポーカー熱
ポーカーで地域を盛り上げたい
近年のポーカー人気で、ポーカースポットが爆発的に増加している。昨年8月にオープンした『キングスマン帯広店』(北海道帯広市)は、帯広市唯一のアミューズメントポーカースポット。目標は帯広市にポーカー文化を根付かせることだ。
『キングスマン帯広店』を運営するのは、ポーカークラブキングスマン(札幌市)。プレイヤーとしても活躍する佐藤正基氏が代表を務めており、道内でポーカースポットを計3店舗運営している。
同社は2019年、道内初のアミューズメントポーカースポット(ポーカーのみ遊べる店舗)として、札幌・すすきのに1号店をオープン。その後、22年5月に函館店、8月に帯広店をオープンした。道内で複数の店舗を構えるのは、キングスマンだけだ。
なぜ北海道にオープンしたのか。帯広店の松井寛店長はこう語る。
「弊社の代表がもともと、テキサスホールデムをはじめとするテーブルゲームとお酒が楽しめる札幌のアミューズメントカジノバーで働いていたのですが、そこが閉店してしまいました。当時、そこ以外にポーカーを楽しめるお店がほとんどなく、プレイヤーとしても活動していた代表の『ポーカー文化を根付かせたい』という想いから1号店をオープンしました」
札幌市内だけでなく市外からもプレイヤーが集まるようになり、札幌店は軌道に乗った。その後、ポーカーの魅力を道内に広く伝えるべく地方への出店を模索。地方のポーカーサークルなどの協力を得ながらプレイ人口や地域コミュニティの独自調査を行った結果、函館、帯広への出店を決めた。
「帯広でもかなりポーカー熱が高まっているのは感じていました。『友達や有名人がやっているのをSNSやYouTubeで知って興味が湧いた』という方が多く、日常の中でポーカーの存在が目や耳に入りやすくなっていると思います。また地方特有といいますか、都心ほど人や情報が溢れていないので、お客様が投稿してくださったSNSや口コミが広まりやすいというのも感じますね。それで興味を持ってくれた方が、見学するためだけに来てくれるなんてこともありました」
北海道にポーカー文化を
キングスマンの目的は「ポーカー文化を根付かせる」こと。ノンユーザーにポーカーという存在を認知してもらうためには、地元住民が日常的に利用している企業の協力が重要になってくる。松井店長はポーカーにまだ関心がない企業にも足を運び、スポンサーを集めるなど、地元企業を巻き込んだ取り組みを行っている。
「私たちキングスマンの成り立ちや想いに賛同していただけたら、店内ビジョンでCMを放映するなどして紹介する代わりに、店舗で開催するトーナメントのスポンサーとして協賛品をご提供いただいています。優勝者には協賛品が贈られるので、商品をアピールできる機会になります。また企業様の店舗に当店のポスターの掲示やチラシを置かせていただいているので、地元の方に生活の中でポーカーの存在を知っていただけるのではと思います」
この「ポーカー文化を根付かせる」という想いと行動が、地域を盛り上げ、ポーカーの普及につながるはずだ。最後に今後の目標について聞いた。
「まずは地域の遊び場として認知されること。そして、遊びに来てもらうことによって、絶対に出会うことがなかった人たちを繋げることです。会社の違う一般社員と社長が同じテーブルに座って話したり、遊んだりすることってまずないですよね。これがポーカーの魅力の一つ。自分の知見を広げる素敵な出会いだったり、人生の大きな転機になったりするかもしれません。そういった人と人との出会いが地域を盛り上げ、結果的に文化として根付いてくれればいいなと思っています」
※『月刊アミューズメントジャパン』2023年4月号に掲載した記事を転載しました