コラム

コラム内を

2022年09月01日
No.10003020

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑧
「効果性重視」のLINEマーケティングとは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

「効果性重視」のLINEマーケティングとは?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ代表取締役CEO パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。

今回は、LINE公式アカウント(旧 LINE@)をパチンコ店の集客戦略で活用するためのLINEマーケティングについて解説します。現在、パチンコ店が活用できる集客ツールは多種多様ですが、その中でもLINE公式アカウントは集客戦略において最も効果的なツールであると推奨しております。しかし、正しい活用をしなければその効果は発揮できず、コストが増大してしまうという性質を持っています。

LINE公式アカウントの集客効果を最大化し、かつコストを最小化する正しい活用方法とはどんな方法なのか? まず、LINE公式アカウントは集客戦略において最も効果的なツールであると推奨しておりますが、その理由は3つありますので見てみましょう。

1つは、日本国内でのMAU(マンスリーアクティブユーザー、月1回以上サービスを利用したユーザー数)が8900 万人(国内人口の約70%)となっており、利用者数が最も多いWebツールであること。2つ、LINE公式アカウントはユーザー登録制であり、登録しているユーザーは情報取得に対して能動的であること。3つ、今後加速するCookie規制によって効果性が低下するWeb広告に代わって期待されているツールであること。この3つの理由から、最も効果性の高い集客ツールとして積極的に運用することを推奨しています。

しかし、前述した通りLINE公式アカウントは、正しい活用をしなければその効果は発揮できず、さらにはコストが増大してしまうという性質を持っています。なぜ、そうなってしまうのか? それは、システム上の仕組みに要因があります。

パチンコ店がLINE公式アカウントを積極的に活用していくと、当然「友だち」の数が増加していきます。その友だち数が3000人を超えたあたりから、契約形態はスタンダードプランがお得となりますが、このプランは月額1万5000円で、4万5000通まで追加料金なしでメッセージ配信でき、それ以上になると有料(1通当り上限3円)になるという設計になっています。

例えば、友だち数3000人を抱える店舗のケースを見てみると、15配信(3000人×15配信=4万5000通)まで追加料金は発生しないが、それ以上になると追加料金が発生するという計算になります。仮に、この店舗が20配信したとすると追加料金4万5000円が加わり、請求額は1万5000円から6万円に上がってしまいます。友だち数5000人の店舗が20配信すると追加料金も含めた請求額は17万9000円に、友だち数1万人の店舗が20配信すると請求額は44万8000円になってしまいます。

この仕組みに対する対策として、友だち数が多い店舗ほど配信数を減らすというのもひとつの方法ではありますが、それでは集客効果という面においてツールの効果性を最大化できないというトレード・オフになってしまいます。

では、集客効果を最大化し、かつコストを最小化する正しい活用方法とはどんな方法なのか? それは「CRMシステム」の導入という方法になります。CRMシステムというのは、Webツールの顧客管理を行うツールのことをいいます。これまで、LINE公式アカウントの運用に関しては、一斉配信が主流となっていましたが、このCRMシステムを使うことで、セグメント配信をすることが可能となります。


つまり、メッセージを送りたい人を選んで、必要な数だけLINEのメッセージを送信することができるということ。スタンダードプランの「無料通数4万5 000通」というのは、『配信友だち数×配信回数』となりますので、配信する友だち数をセグメント配信によって少なくすると、配信数そのものを抑えることができます。

具体的な運用方法としては、例えば『押忍!番長ZERO』を増台する新台入替の際、『押忍!番長ZERO』に興味関心がある顧客リストからターゲットを選定して、そのユーザーのみにLINE配信を行います。そうすることで、『押忍!番長ZERO』には興味関心のないユーザーにはLINE配信を行わないため、配信通数を抑えることができます。その結果として、コストを最小化させながら集客効果の最大化を実現していることになります。

このCRMシステムは、ほとんどの場合、Googleアナリティクスと同じような分析機能を付帯しています。主に、「どんな情報を配信すると、どのくらいのリーチやアクセスがあるのか」といったアクセス分析をすることができます。これによって、配信した情報別に顧客を分類することができるため、「顧客」と「機種」を結びつけて属性で分けておく、というような管理方法が可能となります。このLINE運用を行うと、友だち数5 000人や1万人を抱える店舗であっても基本料金1万5000円以内で請求額を抑えることが十分可能となります。

CRMシステムは各種リリースされていますが、CFYからも『ぱちLINE』というCRMシステムをリリースしています。ぱちLINEとは、パチンコ店のLINE公式アカウントの運用を最適化し、集客、コスト削減、価値向上に貢献するWebツールです。パチンコ店の用途に特化したシステムとして、必要最低限の機能を付帯し、低価格のサブスクリプションサービスとしてリリースしています。LINE公式アカウントを積極的に活用する際に参考にしていただければ幸いでございます。

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年8月号に掲載した記事を転載しました


パチンコ・パチスロ最新記事