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2022年08月25日
No.10003017

ダイナム全店で取り組んだ「サービスマイスター総選挙」とは

ダイナム全店で取り組んだ「サービスマイスター総選挙」とは
鹿沼店は選挙風のポスターを作成。お客様だけでなく、社内からも評価されている

ダイナムは7月1日から31日までの期間、全国396店舗でサービスマイスター総選挙を開催。この取り組みは、来店客からの投票で店舗の接客№1を決めるもの。全店で実施すると決めた会社の想い、そして一丸となって取り組む店舗に話を聞いた。

今年7月、ダイナムは創業55周年を迎えた。この間、地震や台風といった自然災害、新型コロナウイルス感染拡大など、さまざまな問題と戦ってきた。56年目を迎えた同社が、新たに掲げたスローガンは“リスタート”。そのスローガンを推し進めるための取り組みの一つがサービスマイスター総選挙だ。

これを担当するCS推進部の小橋正也部長は「コロナ禍でなかなか動きだせなかった取り組みもありました。55周年という一つの区切りを迎え、リスタートするためには、『お客様に満足していただけているか』を再確認することが重要でした」とスタートのきっかけを話す。

サービスマイスター総選挙は、年に2回(1月と7月)、来店客の投票で各店の接客№1スタッフを決めるというもの。見事1位に輝いたスタッフは、11月に本社で行われる表彰式に招待され、サービスマイスターの証であるオリジナルバッジが贈られる。

全国の店舗にはベースがデザインされたポスターと投票箱を配布。投票数を伸ばす方法や来店客に注目される方法は主体的に考えてほしいという想いから、ポスターデザイン、配置場所、装飾などは各店の創意工夫に期待した。

投票ボックスの配置場所、装飾はスタッフが話し合って決めた

「今回のポイントは接客やサービスの良さを直接感じるお客様に参画していただくところです。投票数を伸ばすための工夫や票を入れてもらう工夫をスタッフ自身の成長の場としてもらえれば。また、お客様には『ダイナムが新しいことを始めた』と注目されることで、それが来店理由になったり、スタッフとのコミュニケーションが増えるきっかけになれば嬉しいです」(小橋部長)

事務クルーも参戦
一丸で取り組む鹿沼店


栃木県鹿沼市にある『ダイナム栃木鹿沼店ゆったり館』は、総台数400台(パチンコ320台、パチスロ80台)の郊外型低貸し専門店。地元の常連客が集まる地域のコミュニティだ。

加藤信之介ストアマネジャーは鹿沼店に赴任して5年目。サービスマイスター総選挙の開催について、最初はあまり乗り気ではなかったという。

「初めてこの話を聞いたとき、スタッフにどう伝えようか悩みました。以前、スタッフの写真を使用した販促物を作成したいとお願いしたときに、顔を出したくないと断られたことがありましたから」

今回の取り組みでも「得票に差がつくのが恥ずかしい」、「投票用紙やSNSに悪口を書かれたくない」など、スタッフの不安はあったという。それでもスタッフとの個人面談を重ね、一人ひとりの不安を取り除き、その対策を考えるとともに、スタッフも来店客も楽しめるように準備を進めた。

「今回は名前が書かれた投票用紙を入れるだけと説明し、店舗では個人の票数を伸ばすということではなく、スタッフ全員で鹿沼店の得票数を伸ばすという目標を設定しました。鹿沼店のスタッフは、全員でやろうと決めたら最後までやりきってくれます。指示されたことをやるだけでは面白くないので、イメージだけを伝えて、スタッフが主体的に楽しんで取り組めるような環境を準備しました」

販促物・投票箱の設置場所やレイアウトは、クルー(アルバイトスタッフ)と社員が話し合いを重ねて決めた。メインとなるポスターデザインは、事務所内で事務作業を担当する事務クルーの津久井明日香さんが制作。来店客はもちろん、社内からの評判も高い仕上がりとなり注目された。

ポスターを制作した津久井明日香さん。
「自分が作ったものが評価されて嬉しい。
お客様も私のことを認知してくれました」

「お客様が投票するところをイメージしながら、全員の協力で素晴らしいブースが展開できました。津久井さんには、“選挙風”というイメージを伝えただけですが、一人ひとりのワードセンスなどが光る、クオリティの高いポスターを作ってくれました。社内からも評価され、『真似させてほしい』という声が挙がるほどです」

鹿沼店では期間前から全員でこの企画に本気で取り組んだ。ブース展開後は来店客とのコミュニケーションのきっかけになり、その反応は投票数という結果でも返ってきた。

「最初はスタッフも否定的で、お客様が票を入れてくれるのかという不安も大きかったと思います。ですが、ふたを開けてみるとお客様の4人に1人の割合で投票してくれています。お客様からは『面白い企画だね』、『いいスタッフが多いから、たくさん投票させて』と嬉しいお言葉もいただいています」

スタッフも最初こそ恥ずかしがっていたが、来店客の反応、投票する姿を見て、自信を付けていったという。今ではサービスマイスター総選挙以外の仕事内容にも工夫や改善の提案をするようになった。

鹿沼店では来店客とのコミュニケーションなど、
人間力という部分では負けない自信があるという

加藤ストアマネジャーは今後の目標をこう語る。「今回の取り組みでスタッフの成長を実感しました。期間が終わったら元に戻るのではなく、お客様に喜んでもらうためにはどうすればいいのか、というところを自分で考えて行動するという雰囲気・環境を継続して作っていくことが大切だと思います。またスタッフの頑張りが、こうやって注目されるのがとても嬉しいです。再び注目されるように次回(1月)もチャレンジしていきます」。

今年から全店で開催されているサービスマイスター総選挙。これまで、店舗が個別に開催していたことはあるものの、会社として全店で開催するのは意外にも初めての取り組みだった。最後に小橋部長に会社としての目標を聞いた。

「今年から年に2回開催するわけですが、回数を重ねるごとにお客様一人ひとりに合わせた接客やサービスの質が高まっていけばいいなと考えています。半年に一度、お客様に披露する場としてとらえてもらって、期間が終わったら、それぞれの店舗で半年後に向けた目標を立ててもらえれば。その中でスタッフのモチベーションが高まったり、気持ちが前に進んでくれれば、やってよかったと言えると思います」

ダイナム栃木鹿沼店 加藤ストアマネジャー


※『月刊アミューズメントジャパン』2022年9月号に掲載した記事を転載しました


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