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2022年08月01日
No.10002984

東京ホテル・ウェディング&IR専門学校
特別講義「カジノ・IR産業の理解」開催

特別講義「カジノ・IR産業の理解」開催
特別講義で講師を務めたアミューズメントプレスジャパンの田中剛執行役員

観光&ホスピタリティ業界への就職を目指す学生のための多様なコースを備えた東京ホテル・ウェディング&IR専門学校(東京都)で7月19日、エアラインコース2年生の授業の中で「カジノ・IR産業の理解」をテーマにした特別講義が開催され、同コースの学生のほか、IR・カジノ産業に関心のある他コースの学生が参加した。

講師を務めたのはアミューズメントプレスジャパンの田中剛執行役員。日本におけるカジノ合法化プロセスの取材や世界9カ国でのカジノの取材経験を交え、「IRとは何か?」「カジノ市場の動向」「カジノが社会に及ぼす負の影響や懸念事項とその対策」などについて解説した。

日本が設置しようとしている統合型リゾートは、国がカジノ以外に5つの中核施設の設置および一体運営を要求している点など、世界的に見ると非常に珍しい業態。そして訪日外国人客の「玄関口」と位置づけられ、IR施設から国内各所へ旅行者を送り出す機能を担う施設となるため、各観光地はIR客をいかに誘致するかが課題となる。IR施設以外で観光・ホスピタリティ産業に従事することになっても、IRおよびカジノ客の理解は必要だと説明。

IR導入反対派の中には、ラスベガスの事業者の売上構成比に占めるゲーミング収益の割合の低下を根拠に『カジノは斜陽産業であり、カジノを核とするIR導入で経済の活性化はあり得ない』という意見があることに対して、「割合でなく金額を見ればゲーミング収益は増え続けている。コロナ禍で苦戦しているのは外国人客が来なくなった地域であり、国内に十分な客がいるアメリカのカジノ産業は、2019年比を上回る過去最高業績を上げている」と説明した。

Las Vegas Stripのカジノ事業者の部門別売上におけるゲーミング収益は世界金融危機の後、回復を続けている


日本ではIR誘致地域を中心に、カジノ施設およびギャンブリングについて根強いネガティブな感情があるが、田中執行役員は「アメリカではギャンブルを道徳的な観点から受容している人の割合は高学歴者ほど高い」と米国大手調査会社ギャラップの世論調査結果を紹介し、「ギャンブルを嫌いな人は一定数存在するが、日本人が思う以上に身近なレジャー」と説明。米国では過去1年間にスロットマシンやVLTなどギャンブル・マシンで遊んだ経験のある人の割合は30%以上で、パチンコ・パチスロ参加者率の3倍以上だ。

このほか、ギャンブル障害(いわゆるギャンブル等依存症)は、適切な措置を講ずることでカジノ開業後に急増することを防げる可能性があると説明。一例として、シンガポールでは2つのIRの開業後に有症率が下がったことを紹介した。

同校は国内に約40の専門学校、高等専修学校を運営する滋慶学園COMグループの専門学校で、ホテルマネジメント、リゾート・観光マネジメントをはじめコースは3年制と4年制。近い将来日本に誕生するIR産業への人材輩出を見据え、米国ネバダ州の教育機関と提携したカジノマネジメントコースも設置し、校内には模擬カジノルームも備えて昨年春に開校した。


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