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2021年08月02日
No.10002391

Daiichi
リスクを軽減して遊技機を導入できる新たなビジネスモデルを
Daiichiバリュープラン

リスクを軽減して遊技機を導入できる新たなビジネスモデルを

ホールの機械代負担が増すなかで、Daiichiが遊技機導入の新しい選択肢として「Daiichiバリュープラン」の運用を本格的に開始する。メーカーがリスクを負いながら安価に遊技機を提供する業界初のシステムに込めた思いを、大一販売の出浦稔取締役常務と大一商会の平田雄工執行役員部長に聞いた

──ホールが遊技機を導入する際の新たな選択肢として「Daiichiバリュープラン」(以下、Dバリュープラン)をスタートしました。その狙いを教えてください。

出浦 ホール様にいかに自社の機械を使っていただくかを考えたとき、モノづくりの面を磨いていくことは当然必要ですが、これだけ業界を取りまく環境が変化しているなか、これまでとは違った別の仕組みを考えないと使っていただけない、何か違った視点で考えられないかと社内で議論をしてきました。グループ会社に直営店もあり、機械代がホール様の利益を圧迫していることは実感していました。その負担がもう少し軽減できれば、当社の機械をホール様が選択していただけやすくなるのではないか。そう考えて、レンタルを軸にしたパチンコの導入プランを1年ほど前から検討してきました。

株式会社 大一販売 取締役常務
出浦 稔さん

──レンタルを始めたのはいつからですか?

平田 昨年2月の導入機種から、試験的にレンタルプランを開始し、ホール様のご意見をうかがいながら、単なるレンタルではなく、ホール様に使い勝手の良いスキームを模索してきました。その結果として、ホール様が毎月利益を出せるような金額設定や、シリーズ機への変更ができて1年間しっかり使っていただけるプランを構築しました。それがDバリュープランです。1年ほど前から試験導入を重ねてきて、自信を持ってお勧めできる10月導入予定の『P神・天才バカボン~神スペック~』からスタートすることにしました。当然、機械に力が入っているからこそ、このタイミングに照準を合わせてDバリュープランを準備してきました。

株式会社 大一商会 グループ事業推進部 執行役員部長
平田雄工さん

──パチンコのレンタルプランは業界初ですね。

平田 レンタルはすでにパチスロで実施しているメーカー様がありますが、パチンコで、さらにシリーズ機に代えられるプランは初めてだと思います。新台を3カ月27万円で使用できて、その時点で市場での結果が良ければ買取か継続、結果が悪ければ返却できる。また、メイン機を使っていただいた後、5カ月目以降はシリーズ機に変更可能で、そこまでの納期を見据えた運用ができます。1プランで2機種分使える点は、パチンコの特性を活かしたスキームだと思っています。

──このスキームだと3カ月で返却されたら新台販売価格を17万円下回ることになりますね。

出浦 ホール様にとってはリスクヘッジになり、メーカーにとってはそれだけのリスクを負うことになるプランです。だからこそ、私たちが結果を出していかなければならない。ホール様はいま、しっかりと機種を選別しています。Dバリュープランは、メーカーとして機械を提供するだけの責任を果たすという決意の表れでもあります。当然、開発にはプレッシャーがかかりますが、それも遊技機の品質向上につながると考えています。

──ホールにとって財務的なメリットはどこにありますか?

平田 基本的に新機種導入の初月からしっかり利益を出せる金額設定にしています。いまは機械代を償却するだけでも大変な状況です。1台40万円台の機械代を何カ月もかけて償却する。その間、機械がどこまで稼働するのかは不透明です。Dバリュープランをご利用いただければ初月から収益化が期待できて、それが途中で返却できる。それ以上償却できないというリスクを回避できる点もメリットだと考えています。貸し出す形なので資産に計上されない点をメリットと感じてくださるホール様もいらっしゃいます。

──月々の費用は毎月段階的に減っていく設定ですね。

平田 導入後時間が経てば稼働も粗利も下がっていきます。それを想定してレンタルの料金も下がっていくという設定です。試験的なレンタルでは毎月定額でのお支払いでしたが、Dバリュープランでは、よりホール様に負担が少なく、利益も出しやすくなる金額に設定しました。

──どのような運用をホールに提案していますか?

出浦 この機械で勝負したい、多台数導入したいという場合、例えば半分は購入して、半分はリスク回避のためにDバリュープランを使ってみてはどうですかという提案をしています。市場での結果が良ければそのまま使っていただけるし、結果が悪ければ半分は返却できますので、リスクヘッジにはなると思います。これまでレンタルプランをご利用いただいたホール様からネガティブな意見はほとんどありません。逆に利用機種数を重ねるごとに認知度が上がっていて、一度レンタルプランを利用されたホール様はリピートしてご利用いただける法人様が多数いらっしゃる状況です。Dバリュープランでも、リスク回避のために全台購入ではなく、通常購入と本プランを合わせて利用してみようというホール様が増えていくような手応えを感じています。

──最近では個人消費財などでサブスクなど「所有しない」ことがトレンドになっています。

平田 当社でも新しいビジネスモデルを模索する中で、遊技機のサブスクリプションという案は出ました。当然、あくまでも資産として購入したいというホール様もいらっしゃいますが、購入とDバリュープランとを組み合わせれば、人材や設備、広告宣伝などへの投資や、お客様への還元など、より多様で幅広い営業ができるはずです。業界にも「持たない経営」をするホール様が出てくる時代が来るかもしれません。

──バリュープランによって、業界の将来にどんな好循環を描いていますか?

出浦 いま業界が抱えている課題は、高騰する機械代を誰が負担するのかという点にあるのだろうと思います。ホール様がかつてのような利益を望めなくなっている中で、メーカーとホール様がともにリスクを負うことで、このプランを使っていただいたホール様に利益をもたらすことができる。その結果、ホール様は運用面でお客様が遊びやすい本来あるべき環境を提供できる。そういう良い循環に回っていく可能性は十分あると思っています。遊びやすい娯楽としてのパチンコというイメージが戻ってくれば、新規ユーザーやスリープユーザーがホールに足を運んでくれるかもしれません。そうなることを業界の誰もが望んでいると思いますので、Dバリュープランがその一助になればと思っています。
©赤塚不二夫/ぴえろ
Dバリュープラン対象の初めての機種となる『P神・天才バカボン~神スペック~』


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