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2021年07月28日
No.10002384

パチンコ必勝ガイド×APJコラボ企画
軍団の昔と今/バイク修次郎
連載コラム「ブレない漢のパチンコ日報」⑧

パチンコで食べている専業プロは、大きく分けて2つ。ピンプロと軍団がいます。前者は1人で稼ぐ打ち手のことで、後者は稼ぐ流れを組織化した集団。今回は、組織化された軍団について語っていきますね。

私がプロになったのは20年前。勝ち方はうろ覚えで、日々四苦八苦しながら稼働していました。その時ホールで知り合い、プロのイロハを教えてくれた大先輩は、軍団のはしりといわれる組織に所属していた方だったので、しきたりを学び裏話も沢山聞きました。当時関東には幾つかのパチンコ組織があり、基本的には本部に会費を支払い、優良店情報を共有するシステムだったようです。

プロ駆け出しの頃はあちこちの新規店へバイクで出向いていたので、色んな軍団に遭遇しました。歳は中年以降の方が多く、徒党を組んでいても落ち着いた空気感。たまに縄張り争いの喧嘩を目撃しましたけどね(汗)。収支に関してはノリもあったと思いますが、基本的には個人だったと聞きました。比較的マナーは良いうえ仁義!? までも感じたもの…というのも、前日に他プロが打っていた台は甘くても1日座らず空けておくとか、午前中は座ってはならない等、今となってはやり過ぎとも言える暗黙のルールがあったのです。

たとえライバルでも、台取りでは相手を気遣う余裕があった時代から10数年が経った今、軍団組織は大きく様変わりしました。

現代に多く存在する軍団のシステムは単純で、軍資金を出す親がいて打ち子は日給のバイト君。募集は求人広告やツイッターが主で、給料は5千円~1万円程。期待日当1.5~2.5万の台を打ち子に打たせるので、浮いた分が組織のあがりとなるのです。また打ち子は基本的に、幾ら勝っても負けても実入りは変わらないので、勝ち方がわからず負けてしまうパチンコ好きなら気楽な稼業かもしれませんね。ただし、間違ってもオススメはしませんよ。

歳は2、30代の若い子が多く、新入りはホールで先輩から止め打ちを指南されたり、潤沢な資金がある組織では実機が用意された止め打ち練習部屋があったりもします。朝の入場並びで若い子が「今日から入りました鈴木です。皆さんよろしくお願いしま~す♪」。なんて驚きの光景を何度目にしたことか。内心、「組織でやるなら仕事せいよ。でも、可愛い女の子なら俺が面倒を…」なんて思いましたが、おまえが言うなですね。

入場して打つ台を指示するのは、親と打ち子の間にいる班長。班員(打ち子)は、ライン等の指示に従い期待値を稼ぐ流れです。班長やその上の実入りは、指導力と店&台選びの実力次第といったところでしょうか。このようなシステムなので台取りに関しては、仁義もへったくれもなく早い者勝ち。それが普通なのですが、私は昔の軍団が持っていた心意気が好きです。

現代の軍団は無駄なくお金稼ぎに一直線でわかりやすいのですが、傍から見ると心の繋がりあらず。金(円)で繋がる無機質な組織にも思えます。それでも中には気のいい子もいて、ホールで会うとパチンコ談義に花が咲くこともありますけどね。

期待値を軸に稼ぐパチンコは円を産むもの。もちろんそれも大事ですが、私は何よりパチンコが繋いでくれる人との縁を大切に生きていきたい…。そう言えば、昔ホールで知り合い現代では大手組織となった軍団長と久々に話す機会がありそうなので、またお伝えしますね。ちなみに今後も、円は自分の力で稼ぐので誤解なきよう。

(このコラムは毎月1回連載しています)

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