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2018年10月10日
No.10000846

J.G.コーポレーション
「空気環境を考える会社」が 屋内禁煙時代に挑む
渡邊秀太 取締役経営企画室室長インタビュー

「空気環境を考える会社」が 屋内禁煙時代に挑む
J.G.コーポレーションの渡邊秀太 取締役経営企画室室長

健康増進法が改正され、パチンコホールは屋内原則禁煙となる見通しになってきた。これまで多くのホールの空気環境を改善してきたJ.G.コーポレーションはこの環境変化にどう対応していくのか。「室内の空気環境を考える会社」として新たな時代に挑む渡邊秀太取締役経営企画室室長(36)に聞いた。


J.G.コーポレーションは1975年、元経団連会長の故土光敏夫氏の薫陶を受けた創業者の渡邊秀行氏が設立。渡邊秀一郎現社長とともに1983年、株式会社山武(現:アズビル株式会社)の支援のもと空気清浄機『スカイフレッシュ』を開発。総発売元としてパチンコホールをはじめ様々な施設に導入してきた。

渡邊秀太室長は渡邊秀一郎社長の長男。大学卒業後にアズビルに入社し、10年間、ビルやプラントなどの制御システムの営業やサービスを学んできた。その渡邊室長が目指すJ.G.コーポレーションの未来とは──。

──ヒット商品の『スカイフレッシュ』シリーズは、タバコの臭いに悩む多くのホールに導入されました。
渡邊室長(以下、敬称略) 当社の歴史は、空気をきれいにしていくという取り組みの中で、常にパチンコホール様のお悩みやホールで発生する問題点を解決し、ホール様と一緒に時代の流れに合わせて空気清浄機を変化させていった歴史だったと思います。

──その後、2004年に換気自動制御システム『NOAH』(ノア)を発売しました。
渡邊
 「空気清浄機」と「換気」は、切っても切り離せない関係にありました。換気がきちんとなされていないと空気清浄機の効果もきちんと発揮されないからです。それなら換気の制御もできるようにと開発した製品が『NOAH』でした。当時は、大きな制御盤前面のスイッチで、オンオフやモード切替をするところからスタート。それが今ではコンパクトな液晶画面で制御するようになりました。世の中の技術の発展に加えて、お客様のご要望や悩みに触れていく中で、一番良い形に進化していったのだと思っています。

──先の通常国会で健康増進法が改正され、原則屋内禁煙という流れが決まりました。どう受け止めていますか?
渡邊
 タバコを吸える場所が少なくなれば空気清浄機のニーズも少なくなることが予想されますから、大きな環境の変化だと受け止めています。ただ、そこを逆風と考えるのではなく、新しいチャレンジの機会だと捉えています。この社会情勢の変化が当社の価値を見直す良いきっかけとなりました。

──「室内の空気環境を考える会社」というキャッチフレーズもそうした環境変化に対応した理念ですか?
渡邊
 当社の社長が「いつまでも空気清浄機だけの会社ではいけない。当社はお客様の空気環境を考える会社なんだよ」といつも話しています。それは、空気環境を通じてお客様の課題を解決することが私たちの使命だという意味です。社員一人一人が自立し、日々賢くなることによってお客様の信頼を勝ち得ていくことが大事だと教えられています。

──新たに開発した喫煙室用ワンパス脱臭装置『OP100』も、そうした考えの延長で開発されたのですか?
渡邊
 当社の営業がホール様から、「喫煙ルーム用の脱臭もできて空気清浄もできるような製品はないの?」と聞かれたことから開発がスタートしたものです。『OP100』に搭載されている機能は空気清浄機と脱臭機とファンの3つ。これらはいままで当社が開発してきた製品やノウハウを組み合わせたものです。その意味では当社の技術の結晶と言えるでしょう。そもそも空気清浄機ですと、タバコの煙は除去しますが、臭いは微量しか取れないので、換気をして屋内の空気を外に排出することによって臭いを除去していました。その点『OP100』は、換気をせずに空気清浄を行い、同時に臭いまで除去します。法定換気は当然必要ですが、屋内排出をしても問題ないレベルの空気にすることを目的に開発しています。空気清浄脱臭装置というイメージですね。



──改正法では、喫煙室から排出される空気を施設外に排気しなければいけないのか、施設内への排気も認められるのか、そこはこれからの議論のようですが。
渡邊
 改正前の健康増進法でも、喫煙室に必要な機能は喫煙室と非喫煙場所の境界面、通常は出入口ですが、そこの境界面風速が0・2m/sec以上という項目でした。この気流を生み出すためには、喫煙室内から室外に向かって空気を排出しなければなりません。ただ、そのために施設外に換気をするとなると大きな工事が必要です。コストも増えるし時間もかかります。屋内排出ならその分のコストが必要なくなります。

──これから迎える空気環境新時代をどういうお考えで迎えようとしていますか?
渡邊
 空気環境のことはJ.G.コーポレーションに相談しようと言っていただけるような会社を目指していきます。すでにそのための人材の育成なども行っています。創業からずっとホール様と一緒に空気環境の改善で一緒に歩んできました。大きな転換期を迎えているパチンコ業界で空気環境の問題を解決できれば、当社の価値がより高まるものと考えています。そして、時代とともに新しく変わっていくアミューズメント空間で、その価値をまた提供していければ幸せなことですね。

【企業 DATA】
株式会社 J.G.コーポレーション
本社/東京都港区港南2-12-26 港南パークビル7F
設立/1975年
営業所/札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡
従業員数/113人
http://www.jgco.co.jp/



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