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2023年03月29日
No.10003373

ホールでもマスク着用の新ルール
店舗勤務者が心配することは?

ホールでもマスク着用の新ルール

パチンコホールでも3月13日から、マスクの着用を入店客の判断に委ねる「マスク新ルール」が始まった。本紙はホール企業の従業員を対象にした緊急アンケートを実施。遊技客のマスク着用自由化について聞いた。

パチンコ・パチスロ産業21世紀会は会員団体宛てに文書「パチンコ・パチスロ店営業におけるマスク着用の取扱いについて」を発出し、ホール入店の要件だったマスクの着用を3月13日から遊技客の判断に委ねることにした。ただし感染対策上の理由や営業上の理由などがある場合には、ホール営業者の判断で着用を求めても差し支えないと付している。

アンケートは、当社メルマガ会員からホール企業に勤めている人を抽出して実施。3月13日から16日までに、205人から有効回答を得た。

マスク着用の判断を遊技客に委ねることについて、回答者全体では「特に問題ない」が多数派の6割を占めた。しかし店舗勤務者と本社勤務者では、考えに若干の違いがある(図1)。不特定多数の人と接触する機会がある店舗勤務者のほうが、やや慎重な姿勢のようだ。

心配や不安に思うことについて複数回答で尋ねたところ、店舗勤務者の回答では「着用に関する遊技客同士のトラブル」(75%)、「非着用が常態化することを不安に思う遊技客の離反」(58%)、本社勤務者の回答では「店舗で感染者やクラスターが発生する恐れ」(64%)、「店舗スタッフの感染リスクが上がる」(45%)の順に多かった。

「不特定多数の人が集まる場所では、マスクを着用することが社会性の高いマナー」と強く信じる人の中には、マスクをしない人やそうした人が集まる施設に非難の眼を向ける人がいる。「感染リスクが高い施設」という誤解に基づく吹聴は避けなければならない。

一部の人がマスク非着用者に対して感じる不安を、店舗勤務者はどのようにして和らげようとしているのか。複数回答で尋ねたところ、「日々の感染症対策を強化・徹底する」(51%)、「換気能力が高いことを周知する」(44%)、「台間ボードの周知または導入する」(23%)の順に回答が多かった。

ホール従業員の意識
21世紀会の基本方針ではホール従業員のマスク着用について、3月末までは着用、4月1日からは本人の判断に委ねることを基本とした。なお遊技客と同様に、ホール営業者の判断で引き続き着用を求めても差し支えはない。

アンケートではすべての回答者に自身が4月1日以降、就業中にマスクを着用するか尋ねた。回答者全体では「着用する」(43%)、「TPOに応じて着脱する」(36%)の順に多かったが、勤務場所別に分析すると結果は大きく異なった(図2)。

こうした中、マルハンは21世紀会の基本方針とは異なる全社ルールを定めた。同社は店舗勤務者がマスクを着用する期間を5月7日まで延長。翌8日から緩和する方針を決定した。ただし絶対的なものではなく、各カンパニーが感染状況に応じて、緩和日を早めることもあるという。

マルハンが一部店舗で掲出しているポスター

着用期間をゴールデンウイーク明けまでに延長した理由について、グループユニット管理部人事課は、次のように話す。

「店舗スタッフが4月に感染した場合、繁忙期であるGWのシフト繰りがままならなくなる可能性が出てきます。これまでの経験上、4月は感染者数が増える傾向にある。そうした懸念があることを保健師として具申しました」

都内近郊の複数店舗を3月13日以降に視察したが、マスクを完全に外している遊技客を見かけることはなかった。一部の店舗はマルハンのように、入り口付近でマスク着用のルールが変わったことを告げる案内を掲出していたが、遊技客にはまだ浸透していないのだろう。今後の動向に注目したい。


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