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2022年08月10日
No.10003001

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑥
Web広告の正しい「分析方法」とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

Web広告の正しい「分析方法」とは?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ代表取締役CEO パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。

今回は、パチンコ店におけるWeb広告の「分析方法」について考えてみたいと思います。Web広告での成果が分からないというお声を耳にすることがありますが、その場合「分析方法」が間違っていることが多く見受けられます。パチンコ店におけるWeb広告の正しい分析方法とはどんな方法なのか? 陥りがちなWeb分析の間違いと、Web広告の正しい分析について解説したいと思います。まずは、Web広告の成果について考えてみましょう。
 
なぜWeb広告の成果が分からないのか? それは、「分析の目的共有」と「正しい目標設計」ができていないことが要因として挙げられます。

分析の目的とは、データからより良い意思決定をし、次のアクションにつなげる』ことです。逆に、意思決定やアクションにつながらない作業は分析とは言えません。「分析の目的共有」と「正しい目標設計」ができていれば、Web広告は「成果が分かるもの」に変わります。

次に、陥りがちなWeb分析の間違いについて解説したいと思います。良く見受けられる間違いとは、以下のような「数字だけを見て分析したとみなす」といったものです。①広告の配信レポート(表示回数、クリック数、クリック率、クリック単価、視聴率、来店数など)②LPの流入レポート(セッション数、PV数、ユーザー数、リピーター数、直帰率、参照元など)。また、分析レポートに「クリック率が良かった」や「単価が抑えられた」などの注釈があったとしてもこれも分析とは言えません。改善アクション、改善サイクルを回すことで初めて分析となり、Web広告の成果を実感することができます。

パチンコ店が改善サイクルを構築するのにためには、表の4つのステップを仕組化するとよいでしょう。


この4つのステップを改善サイクルとして構築することで、Web広告の『正しい分析』が可能となります。

Web広告は、来店に直結させるというよりは、細かな改善を繰り返して来店につなげていくという認識を持つことも重要となります。例えばGoogle広告はランディングページやポータルサイトと組み合わせて活用し、「認知拡大」や「検索上昇」などが目的となり、直接検索数やルート検索数、あるいはUU数やサイト流入数などの数値を上げることがKPI(最重要プロセスの目標数値)となります。

Google広告を活用して「認知拡大」や「検索上昇」といった目的を果たしながら、今度はLINE公式アカウントの「友だち登録」や「施策想起」などにつなげていきます。LINE公式アカウントの場合は、友だち数やターゲットリーチ数、あるいは開封数や開封率などの数値を上げることがKPIとなります。このように、数値をKPIとして目標設定し、それぞれのツールのKPIを達成していきながら最終的に来店につなげていきます。

ユーザーが来店という行動を起こすまでには、多くの場合「認知」→「興味関心」→「比較検討」→「来店」というステージ移行をする必要があります。特に新規ユーザー、あるいは疎遠ユーザーを来店させるためには、自店に合った最適な目標をKPIとして設定し、改善サイクルで「正しい分析」を行いながら来店につなげていく必要があります。

改善サイクルを回すためには「数値の見える化」を構築しておくことが重要です。Googleが提供しているGoogleマイビジネスのインサイト情報を利用する、あるいは別の企業が提供するBIツールを利用するなどして「ダッシュボード」を作成すれば「数値の見える化」が可能となります。

また、エクセルやGoogleスプレッドシートを利用してソフトの機能を使ってダッシュボードを作成しても良いでしょう。さまざまな情報を分かりやすくひとまとめにすることで「数値の見える化」を実現し、意思決定者や関係者が現状を直感的に理解でき、迅速な判断や気付きを得やすくすることが可能となります。ダッシュボードを作成する際には、広告施策や起こしたアクションの内容を「行動記録」しておくことが重要なポイントとなります。 

どんなアクションの時にどんな数値的な変化が生じたのか、といったように行動と数値の変化を分析し、改善サイクルを回すことがユーザーの「来店」につながっていきます。アクションの「行動記録」に関しては、店舗のLINE公式アカウントも記録することを推奨しています。配信内容と一緒に、友だち数・ターゲットリーチ・ブロック数・ブロック率を数値管理します。例えば、新台入替・特定日・プレミアム景品・週末などをそれぞれ数値管理し、それを月次で平均値化しておきます。このようにして数値と要因の「見える化」ができれば、以後のLINE運用のヒントを得ることができます。

Web広告は、データからより良い意思決定をし、次のアクションにげつなげるという「正しい分析」を行い、改善サイクルを回していきます。Web広告を正しく分析して、来店数アップに利用してみてはいかがでしょうか。

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年6月号に掲載した記事を転載しました


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